『悪の華道を行きましょう~悪の華道を追いましょう』
ある日、マルクは父の再婚相手のセレスティーヌに、父が浮気をしているのではないかと相談をされます。
嫌われ者の父が、他所で浮気などするはずがないと、セレスと共に真実を確かめに行くと、事態は思わぬ方向に…
嫌われ宰相と悪役令嬢に危機が…?
意外な展開に目が離せません!
『悪の華道を行きましょう~悪の華道を追いましょう』ネタバレを紹介します!
『悪の華道を行きましょう~悪の華道を追いましょう』ネタバレ!
マルクの父は、冷酷無比で女にだらしなく、見た目も醜い男でした。
マルクは父のようになりたくないと見た目も性格も全くちがう人間になるべく努力をしましたが、ある日元婚約者の「呪われた血」という一言が痛烈にマルクを刺しました。
それが思わぬ事件の発端となったのです。
ある日、マルクは父の再婚相手で、義母にあたるセレスティーヌに、「旦那様が浮気をしているようなのです」と相談されます。
セレスティーヌは元々国の第一王子の婚約者でしたが、王子の策略により父と結婚させられました。
きっと死ぬほど辛いに仕方ない、そう思ったマルクはしばらく距離を置いていました。
しかし、父はセレスティーヌにとって理想そのもの。
さらに、父にとっても彼女は特別な存在のようです。
セレスティーヌにとって、父はパーフェクトな存在なので、不安で堪らない様子です。
マルクは、浮気なんてあり得ないと言いながら、そう思う根拠を尋ねます。
セレスティーヌは、先日の夜会で、ある女性に「私の大切なあの方を返してください」と声をかけられていたのです。
彼女が許せないのは、その女性の華の無さです。
その女性は地味で、一緒にいて空気のように落ち着くような雰囲気でした。
一方、セレスティーヌはよく言えば華々しく、悪く言えば派手派手しい。
旦那様に癒しを与えられないと肩を震わせます。
マルクは、普段自信に満ち溢れ、誰にも屈しない凛とした美しさを持つセレスティーヌが肩を震わせていることに驚きます。
マルクは、真相を確かめようと提案します。
母体に心配事があると、お腹の子にも障ります。
「この子のためにもしっかりしなきゃ」
そう言って、セレスティーヌはマルクと共に宰相の元へ向かいます。
見張りから宰相がいると聞いていた家は、マルクに見覚えのある家でした。
扉を開けると、中には宰相と、夜会の時に声をかけてきた女性。
宰相は訪ねてきたセレスティーヌを見て、嬉しそうに声をかけます。
反対に、セレスティーヌは怒りがおさまりません。
「私は旦那様の浮気現場に殴り込みに来たのですよ!?」
宰相は相変わらず嬉しそうにヤキモチを焼いてくれたのかと言います。
すると、女性が失礼だと怒り出します。
女性にとっての「大切な人」とは、マルクの事だったのです。
彼女は、マルクの元婚約者でした。
宰相は、いい年をしたマルクが婚約者もいないことを心配し、婚姻の話を纏めようとここに立ち寄っていたのです。
以前はマルクもこの縁談に乗り気だったようですが、近頃、ある噂が流れています。
セレスティーヌのお腹の子が、マルクの子だと…。
セレスティーヌは、この身を捧げたのは旦那様だけだと言い放ちます。
マルクが婚約を解消したのは、彼女の言った「呪われた血」という言葉に原因がありました。
以前、目元を隠す特殊な夜会で、マルクは偶然彼女を見かけていました。
彼女は、マルクのことを「呪われた血」だと談笑していたのです。
「頭のことよ。
彼のおうちは代々薄毛らしいの。」
その一言が、マルクに突き刺さったのでした。
それを聞いていたセレスティーヌは、怒りを爆発させます。
宰相はO字型、マルクはM字型。
彼らは全くタイプが違うハゲです。
「それに、ハゲは譲歩するものでなく、素敵なオプションなのですよ!!」
そう怒るセレスティーヌを見て、マルクは笑いが止まらなくなります。
セレスティーヌは、帰って毛生え薬の研究をすると言います。
セレスティーヌにとっては素敵なオプションですが、マルクにとっては違うのです。
その後、改めて彼女との婚約は破談となり、騒動は幕を閉じました。
セレスティーヌとマルクの噂はまだ残ったままどころか、物語にもなっているようです。
しかし、マルクは噂をそのままにしておくのも悪くないと考えています。
年の離れた父は、セレスを遺して先に逝きます。
まだ先の話ですが、噂を真実としてしまうのも面白い、と、マルクは微笑みます。
その頃、セレスティーヌの毛生え薬が完成していました。
量産出来るように作ったので、貴族への流通も考えているようです。
売り方も少し工夫をするとセレスティーヌは声を潜めます。
知り合いから知り合いへ販売していって、売った側はマージンを受け取れるようにします。
「寝ているだけでお金が転がり込みます、なんて言えば、どんどん売れると思わない?」
何かに気づくマルク。
「私ね、欲しいドレスがあるのよ」
マルクは、そう言ったセレスの美しい微笑みに恐ろしさを感じながらも、目が離せなくなるのでした。
『悪の華道を追いましょう』感想
あの宰相が、まさかの浮気…と驚く始まり方でした。
セレスティーヌは相変わらず、嫌われ者なはずの宰相に夢中なようです。
マルクの元婚約者、まさか他人に聞かれる可能性のある場所でそんな話をしてしまうとは…。
しかも、よりにもよってマルクが気にしていた髪の事…。
それをネタにしてることを聞かれてしまったら、婚約破棄されてしまっても仕方がないですね。
それが今回の事件の発端でしたが、宰相の浮気は誤解でしたね。
元婚約者の発言に怒ったセレスティーヌが、マルクの為にと薬を開発しようとする姿は格好良かったです。
「欲しいドレスがあるの」と美しく笑ったセレスティーヌが印象的でした。
宰相の前だと女性の顔をするので忘れがちですが、セレスティーヌも悪役令嬢でしたね。
紹介制でマージンを受け取る商売の仕方は、前作「悪の華道を行きましょう」で語られた前世の記憶からヒントを得たのでしょうか。
マルチ商法で儲け、欲しいものを手にしたいと笑ったセレスは、マルクにとっては、少しの恐ろしさを感じるほど美しかったようです。
マルクはすっかりセレスティーヌの虜ですね。
まだ先の話ではありますが、あえて噂を放置して、父亡き後のことを企む姿は、さすが宰相の息子だなぁと思いました。
悪役なはずなのになんだか応援したくなる登場人物達でした。
まとめ
『悪の華道を行きましょう~悪の華道を追いましょう』ネタバレを紹介しました!
マルクは今回の件で、セレスティーヌの魅力に気付いたようです。
悪役宰相と悪役令嬢はお似合いで、これからも仲睦まじく過ごしていくのでしょう。
そして、未来の事を企むマルクも、その時が来たらセレスを支えて欲しいなと思いました。
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