『うっかり陛下の子を妊娠してしまいました』
あれから穏やかな日々が過ぎたある日、陛下はベルタを正妃として扱いたいと打ち明けます。
ベルタは、陛下がマルグリットを切り捨てたことにショックを受けるのでした。
マルグリットの処分はどうなるのでしょうか。
『うっかり陛下の子を妊娠してしまいました』11話のネタバレを紹介します!
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うっかり陛下の子を妊娠してしまいました【11話】ネタバレ!
雪の積もったある日、ベルタがルイと外を散歩していると、兵士達に室内に戻るよう言われます。
その日の夜中、突然陛下が訪ねてきて、ベルタと2人で話がしたいと言います。
ベルタは、あれからしばらく音沙汰がなかったことと、こんな夜中の突然の訪問に気まずさを感じます。
保守派の狙いがわかった、と話し始める陛下。
侍女アドリアンヌが療養を名目に後宮を辞して宿下りし、その足で王都を抜け出したようです。
アドリアンヌは懐妊していません。
仮にしていたとしても、陛下の子ではありません。
奴らの狙いは初めから、「この後宮で身籠った」という女を確保することだけでした。
奴らとは、マルグリットの生国 ローラントという国の宰相です。
一派はアドリアンヌを連れ北の国境に向かっています。
王宮をかき回して国外へ脱出し、正統な王位継承権を主張し得る赤子をローラントで仕立て上げるつもりでしょう。
真偽はどうあれ、その赤子を立てることで、王位簒奪の大義名分が生まれるのです。
偽物だと分かりきっていても、他国に格好の旗印を与えてしまうのはまずいのです。
こんな夜中に出ることになったのは、逃げた一族とマルグリットが行動を共にしていると報告が入ったからです。
現地の軍では、王妃の名で押し切られる可能性があります。
事態は一刻を争いますが、ベルタの元に寄った理由は、この間の話の続きをするためです。
ベルタは聞きたくありません。
聞いたところで、陛下の言い分を理解できると思えないのです。
マルグリットには、今回の責任を負わせて権力からは遠ざけますが、この先も安全に暮らせるよう、ベルタにも誓うと陛下は言います。
それが陛下の精一杯なのは理解できますが、ベルタにとって家族とは、夫婦とはそういうものではないのです。
ここがもしカシャの家なら、父は絶対に母を切り捨てません。
しかし、ここがそのような理屈が通じる場所でもなければ、陛下が国王として正しいことも理解できます。
怖いのです。
そんな風に愛する人さえ切り捨てられる陛下のそばで、ベルタもルイも、いつか…
「俺が正しいわけではない。
君だけが間違っているわけでもない」
ベルタの暗い表情を見透かすかのように、陛下が続けます。
「だから話そう
これから俺たちには時間がある」
今夜ということでなく、これから、いくらでも。
すぐに帰ってくるから、ルイと待っていてくれと陛下は言います。
「王宮が手薄の間に南部に帰ろうとしたりしないでほしい」
陛下のその言葉を聞いて、ベルタはきょとんとします。
王子誘拐を企てると疑われていたのです。
ベルタは、ルイを王にしたくないなんて言ったからかと思います。
今はもうそんなに疑ってはいませんが、騒動が始まった時は疑われていました。
陛下は謝罪し、ルイは、息子であると同時にこの国の第一位王位継承者だと言います。
ベルタも分かっています。
しかし、母としてルイの幸せはどこにあるのかと考えてしまうだけです。
陛下も、王になるのが唯一の幸福だとは思いません。
ただ、長子として本来継ぐべき立場に生まれながら、その可能性を奪われた子は、親を恨まずに育つでしょうか。
ルイにひどい父親だと思われたくないのです。
可能性を奪いたくはないし、かけられる愛情の全てを、ルイに与えたいのです。
ベルタは、陛下は本当にルイの父親なんだと感じます。
2人は、本当にどれほどお互いのことを知らないのでしょう。
きっと、言葉も足りなくて…
陛下を信じて待つことにしたベルタは、「行ってらっしゃいませ」と伝えるのでした。
北の国境付近、マルグリット達に追いついた陛下は、マルグリットと対話の時間を持ちます。
そこは幼い日にはじめて彼女と出会った場所でした。
王自身の暗殺を警戒しなければならなかった以上、ここ数ヶ月はマルグリットに会いに行くことすらできませんでした。
現実を見て見ぬふりをしていられる段階は過ぎました。
きっと、彼女とゆっくり話をできるのはこれで最後です。
マルグリットは、ルイが育っていくのを見たくないのです。
王宮に居場所はなく、全てがどうでもいいとさえ思えます。
彼女は、ルイがたった1人の直系男児であるという事実に耐えきれませんでした。
そこにつけ込んだのが保守派の重臣です。
しかし、この勝ち目のない茶番に隠された故意に最後まで気づかないような女でしょうか。
違う、彼女はもう、全て終わらせるつもりなのです。
マルグリットは、陛下に自分を罪人として殺してほしいと言います。
しかし、陛下はその要求は飲めません。
マルグリットを生かす選択自体が、この国にとって有害になる可能性もあります。
それでも、陛下はマルグリットを正妃の義務から解放されて、穏やかに生きてほしいと伝えます。
マルグリットは、自分が生きている代わりに、アドリアンヌを許してほしいと言います。
状況的に、あの侍女を主犯とし、マルグリットは騙されただけという流れに持っていくのが順当なやり方です。
しかし、陛下はマルグリットの意思を尊重し、表立ってはアドリアンヌはこの離宮で命を落としたこととします。
名前を変えてそばに置くとしても、次に何かあれば真っ先にその侍女を処分するという条件付きですが、マルグリットは安心したように頷きます。
そうして2人の時間は終わり、マルグリットは俯き涙を流すのでした。
うっかり陛下の子を妊娠してしまいました【11話】感想
陛下とベルタがこれからのことを語りました。
陛下の言い分が、以前と比べると別人です。
父と母として、ルイに対する深い愛情が感じられ、嬉しくなりました。
言葉も足りず、お互い探り探りではありますが、これからきっと歩みやってくれるだろうと期待します。
マルグリットが、陛下に殺してくれと言った場面が印象的でした。
ベルタ目線で見ていると、マルグリットが邪魔をしてきているようにかんじてしまいますが、
マルグリットの立場に立ってみたら、そう悪者扱いもできません。
死産してしまうのは、マルグリットが悪かったわけでも、陛下が悪かったわけでもありません。
マルグリットからしたら、ベルタの存在やルイの成長は見たくもないものでしょう。
そこへ漬け込んだ保守派ですが、マルグリットは何もわからず騙されるような弱い女ではないと陛下も信じていました。
そして、その勘はあたっていて、マルグリットは全て諦め終わらせるつもりでしたね。
このやりとりは、陛下がマルグリットのことを理解しているのだなと思わされました。
マルグリットも、アドリアンヌも利用されただけで、この2人の命が助かり本当に良かったです。
まとめ
『うっかり陛下の子を妊娠してしまいました』11話のネタバレを紹介しました!
偽の懐妊の事件がひと段落しました。
正妃となったベルタと陛下は、これからどんな関係を築いていくのでしょうか。
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